電車内の呆れた人々

先日から、とあるブログの記事が大注目を集めている。こちら。
内容をざっと記すと、こんな感じ。
ハイキング帰りと思しき老人2人組が、シルバーシートでもない席の前で大声で話していた。「最近の若者は、老人がいても狸寝入りすらしないでずうずうしいね。老人を立たせても平気なんだね」と。すると、そのシートに座っていた若者3人のうちの一人が、「ハイキングに行くくらい元気なくせに電車では立てないのか。あんたらは年金で悠々遊んでるかも知れないが、こっちはあんたらが受け取る年金の原資を作りに、土曜日だってのに働きに行くんだ。俺らがあんたらの年になったときには山登りなんて行ける余裕ないかもしれないんだ。とにかく座りたかったらシルバーシートに行け」と。


若者の気持ちがすごくわかる。痛いほどわかる。老人に席を譲るのは当たり前とされてきた日本。しかし、最近は、譲られて当たり前、座れて当たり前、というふてぶてしい老人が多い。老人に限らず、若者の見本になるべき大人の中に、どうしようもない人が多すぎる。


西武池袋線での出来事。練馬駅を出てすぐ、満員電車のドアの近くで怒鳴り声がした。
「もっとそっちにいけないのか。邪魔だ。どけ」
声の主は、初老の男。言われたのは、若い女の子。「ムリです、これ以上は行けないです」
「ごちゃごちゃ言わずにどけ」というやりとりの後に、若い男の声がした。
「うるせぇ、ジジイ。駆け込み乗車で電車遅らせて、ただでさえ迷惑掛けてるくせに偉そうに言ってんじゃねぇ。見てわかんねぇのか。満員なんだよ。動けるわけねぇだろ。」
初老の男は黙り込んだ。


大混雑の朝の電車の中で、新聞を読むサラリーマン。新聞が人の顔に当たろうが、手が当たろうが、知ったこっちゃない。しかも、あれだけ混んでいれば8つ折にしても読めないくらいなのに、4つ折で読み続ける。混んでいて、彼が新聞を読むために空けているスペースに入ろうものなら舌打ちとともに押し返す。彼の前だけ、2人分のスペースが開いている。他はギュウギュウ詰め。
本を読む人や新聞を読む人に、こういう人が多い。明らかに本など読める状況ではないのに、本を読めるスペースにしようと、ものすごい力で押し込んでくる。そして、人に寄りかかる。よろけて足を踏んづけても、一切謝らない。むしろ、俺じゃねぇ、とか踏んで悪いか?というオーラを出す。


まともに人と会話が出来ないのは、年寄りに限ったことではない。いや、若い人のほうが圧倒的に多い。おれもまだ若い人(のつもり)だけれど、俺から見ても明らかに変な奴が多い。


とある日の夕方の東武東上線
車内にはぱらぱらと空席が目立つ。僕の対面の7人がけのロングシートには、一番端に男性がひとり、ちょうど真ん中あたりに20歳くらいのギャルが2人座っていた。
駅につくと、部活帰りの女子中学生が3人乗ってきた。最初は3人とも立っていたのだが、だるいのだろう。2人がもう一端に座った。残りの1人は立っている。ギャルの位置がちょうど悪くて、3人並んで座るスペースが出来ないのだ。
すると、2人がしゃべりだした。
「うん、詰めてくれれば座れるよ。」「そうだね。詰めてくれれば」「詰めてくれれば」「詰めてくれれば
「詰めてくれれば」を何回も大声で繰り返した。
ギャルは顔を見合わせ、男性の方に詰めた。
立っていた一人が間髪いれずに「あざーす(注:ありがとうございます)」と、腰掛けた。


昨日の帰り。池袋から電車に乗ると、ドアのすぐ横に立っていた女性の顔色が良くないのに気が付いた。僕が立っているのは、その人の横の横で、シートの前。
電車が走り出してすぐに、女性は呻き声を上げながら口をハンカチで押さえていた。そして、しゃがみこんでしまった。
運悪く、次の駅に止まるまでまだ長い。しかも満員で、座っている人に声を掛けて、動いてもらおうにも動けない。石神井公園についたら、「大丈夫ですか?」と声を掛けようと思っていた。
さすがに周りの乗客も異変には気付いていたようで、石神井公園に着くや否や、周りの乗客が彼女をホームに引っ張りだした。一歩出たところで彼女はリバース。
もしかしたら、俺が声を掛けて椅子に座らせていたら、リバース時の被害はもっと大きかったかもしれない。周りのお客さんにも迷惑を掛けていたかもしれない。ドアのすぐそばだったから良かったのかもしれない。
でも、声をかけるべきだったのかな、と、少し反省している。


俺も、いろいろと言っていながら、目の前のアクシデントに対応できない、弱気でいいかげんな奴だった、というオチで。


今回の記事、元の記事にトラックバックしようかとも思ったけれど、とりあえず文中リンクのみで。