つれづれ

新卒で配属された部署の課長が支社に異動になったため、「会議」と称して飲み会をした。


幹事を買って出てくれた課長代理からのメールのニュアンスでは「送別会」に近い感じだったのだけど。


・・・実際には、僕の引き抜きを考えていたようだ。


課長は僕を買っていてくれたようで、僕が技術者を捨てて総務に異動したときも「クサるなよ、技術者にもどらないと」と励ましてくれた人だった。
そんな課長が、どうやら支社に異動したあと、支社で僕を技術者として引き抜いて、復活させようと、課長代理と課長で仕組んだのだろう。
飲み会の話題はそんな話ばかりだった。


正直、辛かった。


僕を買っていてくれるのは本当にありがたい。
でも、クサっているからではなく、僕はエンジニアとして捨てられた人間だと思っている。
しかも、一度自分の領域で勝負して捨てられたエンジニアである以上、他の分野でエンジニアとして生きていくだけの自信は一切復活できていない。


正直、自分でも悩んでいる。
今の会社が万が一無くなったら。
総務だったら再就職もままならないだろうが、エンジニアだったら何とかなるかもしれない。
エンジニアに未練が無いわけじゃない。


でも、エンジニアとしてやっていく自信は一切ない。
今の総務の仕事に十分なやりがいを感じ、それを適切に評価してくれる上司とめぐり合ったから。


冗談半分の「支社に来て、エンジニアとして一緒に仕事しないか?」という課長の言葉に、僕は曖昧に笑いながら話をそらすことしか出来なかった。