つれづれ

結局僕がやった仕事というのは、ほとんど装置オペレータに徹することだった。
とはいえ、装置を動作させる、そのタイミングや条件を判断するのは、上司には無理だろう。この1年、この装置をずっと触って、経験とカンを磨いた僕だから出来ることであって、僕以外の人間がその域に達するには、やはりそれだけの時間が必要だろう。大学院からそのワークに携わっている僕とは違い、ワークそのものに対する知見が無い人なら、もっと掛かるかもしれない。
それは客先も多分分かっていると思うし、わかっていなくても、今回の出張で、それだけの知見のある人間がいないと装置開発が進まないだろうことを理解できたのではないかと思う。
その上で、客先として、僕が放出されたことに対して、うちの会社への評価、僕への評価があったのではないか、と思われる。


もう、この装置の仕事からは、『表面上は』完全に縁切りされる。
あとは、生暖かく見守るしかない。