不快と快感

金曜日のこと。
とある業者さんと夕方から打ち合わせ。
今、仕事で熱源装置の設計をしているのだけど、その装置を専門に作っている業者さんがうちの会社に出入りしているので、課長が引き合わせてくれる、という。
最初は内製の予定だったのに、業者に依頼するってことは、僕の仕事がトロイ、といわれているようなものだ。そりゃそうだ。化学専門の人間が機械設計なんてやったことはないんだから。教えてくれる人もなく、研修のときに習ったCADとCAEで図面とも言えないようなマンガ絵を描いて3D化して解析掛けて…。サクサクと仕事が進むわけがない。正直、あまり面白い気持ちではなかった。
反面で、そんなド素人が熱設計なんてやって、それをお客さんに提供していいのかよ、という気持ちもあったので、とっとと業者さんに依頼して、僕をこの仕事から外して欲しかった。


で、お客さんと打ち合わせ。
自分が設計した熱源の、設計の思想プロセスを全部お話していたら、来られていた業者さんの技術さんが僕の話をさえぎって
「いやいや、よう計算されましたな。普通ここまでやれんですよ。fukaさん、うちにリーダーとしてきませんかwwところでK課長、fukaさんスカウトしてっていいですか?」と。


僕はこういう風に誉められるのがあまり好きではない。自分の仕事の内容が誉められているのは理解できるのだけど、その誉められ方が上から目線に誉められているような気がしてるように感じるのだ。


で、少し遅れて業者さんの営業さんが到着。
簡単に話を繰り返したら、技術さんが「オマエもこれくらいきちんと計算せんかい」とか営業さんに言ってる。
これもなんだか苦手。。。


苦笑いをしながら、最終的に今回の装置の仕様を詰めていく。
業者さんは「だいたいfukaさんの計算で正しいとは思います。ただ、これだったらここはこういうように改良してみたらいかがでしょうか。ですから、ウチの装置でなくとも、部品はS社じゃなくてウチのを使えばfukaさんの設計でいけると思います。」という形で話が進んでいく。
そして、僕の設計に近いものを過去に業者さんで作ったことがあるらしく、そのときの各種データを僕に提供してくれることになった。


およそ2時間にわたる打ち合わせが終わり、業者さんが帰る際に一言。
「fukaさんの設計でS社の部品使うようになってますけど、もしS社の部品買うならウチに一声掛けてみてください。S社の代理店やってますから、場合によってはS社より安価短納期で入れられるかも知れません。S社に相談してどうにもならなくて困ったら、ぜひ一声掛けてください。」
「こんど、九州に出張入れて弊社に来ませんか?fukaさんがやられたような計算と解析専門のスタッフがいますから、彼らと話をしてみたらいろいろと勉強になると思います。」


やっぱり上から目線で見られてるという気持ちは変わらないけど(いや確かに相手のほうが知識も年齢も上だけどさ)、それでもマトモに僕の設計を見てくれて、その上で高評価をくれて、親身になってくれた、というのは嬉しかった。
そんな、ちょっと嬉しい気持ちを引きずって週末。