ワスレゴト

人間って、色んなものを忘れながら、色んなものを捨てながら生きているんだなぁ、と不意に思ったのです。


大学1年のときにほんの3ヶ月だけ在籍した吹奏楽団で一緒になった、ほんのちょっとだけ仲良くなった敬語の抜けない素直な女の子。僕が吹奏楽団を辞めてからは学内で会うこともほとんどなかったのに、新入社員時代に外部研修で再びめぐり合い。何回かメールをしたのだけど、その何回かのメールの後はなしのつぶて。


大学時代の友人の大半。毎日、研究棟で顔を合わせているうちは、修論という厚い壁に立ち向かう仲間、という感じであれやこれやと話をしていたのに、卒業した瞬間に疎遠になり、誰かがメアドを変えたとしても誰にも教えることもないのです。


ネットで知り合ったメル友。数ヶ月はあれやこれやとメールをしていたのに、あるとき、その人のメールのたった一文、たった一語にそこはかとなく腹が立ち、ふらっと関係を絶ってしまったのです。


中学時代の恩師。非常に丁寧に音楽を教えてくれたのですが、なんとなくホモっぽい雰囲気、もしくは「モテナイ同志」という雰囲気を醸し出してきたので、なんとなくこちらから避けるようになり、毎年来る年賀状に返事も書かずにメールで済ますようになりました。今年はメールすら出さなかったのですが、昨日、ふとインターネットでその先生のお顔を拝見したところ、恐ろしく太っていたので驚いたのです。


会社で知り合った派遣の女性。なんとなく仲良かったのですが、なんとなく合わない人だなぁ、と思って、最近はメールも返しません。向こうも空気を読んでいるのか、メールしてきません。よかったよかった。


人生のなかで、人間関係も捨てたり捨てられたり。そうやってここまで生きてきました。よくも悪くも、これからもそうやって、僕は生きていくんだろうな、と思います。