道理はどこにある

NHKは15日、放送法に定められた受信契約を結んでいない事業所に対し、受信料特別対策センター名で契約締結を求める文書を今週末に送付することを明らかにした。全国に約1000万件といわれる未契約世帯・事業所への民事訴訟に向けた準備が事実上スタートした。
(中略)
受信契約については、憲法の「契約自由の原則」に反するとの指摘もあるが、NHKでは「テレビを買う買わないは視聴者の自由であり、あえてテレビを買ったという点で契約の自由には抵触しないと考えている」としている。

これが正しいのだろうかね。ちょっと考えてみる。
テレビを買う、という行為を「NHKの電波を受信する装置を買う」という考え方であるならば、テレビを買うという行為の中にNHKの電波を受信する意思を内包している、という考えも成り立つかもしれない。
しかし、テレビという装置は「NHKの電波を受信する装置」ではない。あくまで受信した電波を画像化する装置である。受信するのはアンテナであり、テレビだけ置いてもテレビ放送はテレビに映らないのだから。
そして、最近ではDVDプレーヤーにつなぐため、とか、ゲーム機に使うため、という使い方が増えている。テレビを買った=テレビ放送を見るため、という図式も崩れている。


このように考えていくと、「NHKのテレビ放送の電波を受信する意思を内包する行為」とは、「アンテナとテレビを接続する行為」ということになるのではないか。したがって、NHKの言っている「テレビを買ったからテレビを見ている」ということは論理的証明にならないのである。


さらに。
契約というものは、当事者間の合意の下に結ばれる「約束」である。ここで、「テレビを買った」という契約を考えてみよう。テレビを買うとき、誰から買いましたか?
NHKから買った人はいないだろう。きっと。街の電気屋とか、大型量販店とかから買うのが普通だろう。ということは「テレビを買う」という契約は「テレビジョン装置の売買」について、「電気屋」と「購入者」が取り交わす契約であり、NHKは全く関与していない契約なのである。


さらにさらに。
物を買った後にお金が掛かる、などという商品の場合は、これをあえて説明しないで契約してはいけない、という法律がある。消費者契約法にあり、消費者の損得に関る重大な事項については事前に説明をしなければならない、というような内容だったと覚えている。
例えば、携帯電話を新規契約する場合、電話機を買おうとすると回線契約の話になり、毎月の料金プランを決めることになる。要するに、電話機を売る際には毎月の基本使用料が掛かりますよ、という説明が要るのだ。
テレビを買うとき、「このテレビはNHKが映るので、毎月の受信料を払わなければなりませんよ」という説明を電気屋から受けた人、います?


などなど、NHKの説明は穴だらけ、法律無視の発言なのだ。もう、どうしようもないというか、本気で潰れなければ分からないのだろうか。。。