つれづれ

鉄道に詳しい友人と、久しぶりに話しをした。
最初は「連休の予定は?遊ぶ?飲む?」なんて話をしてたけど、お互いの予定が偶然にかみ合わないことを悟ると、話題は尼崎の脱線事故に。


確かに、JRは大事故を起こしたが、一概にJRだけを責めることはできないだろう。だって、「短間隔で電車が来ること」「短時間で目的地に着くこと」「ダイヤが正確なこと」を望んだのは、乗客なのだから。事実、たった1分半の遅れで、車掌に詰め寄った乗客がいたじゃないか。
と、彼の主張。


思わず納得。
責められるべきは日勤教育なる運転士いじめをしていたというJRの教育体制であって、決して過密ダイヤや、ATS-Pの非装備や、ステンレス車体ではない。
そういう、便利さを鉄道事業者に求め続けた乗客も、少し反省する必要があるのかも。


ここから先は、完全に推測なので、嘘や間違いをたっぷりと含む可能性あり。些細な間違いを突っ込みたがる人は、読まないほうがいいかも。っていうか、この先、長いです。



ATS-Pがあっても、今回の事故は必ず防げたとは思えない。それは2つほど理由がある。
ひとつは、前の駅で、オーバーランしていること。40mのオーバーランなら、確実に出発信号を踏んでいると思われる。それなのにバックして、再び出発しているということは…バックの際に、ATSのスイッチを切っているのではないか?ということ。そしてその後は限界いっぱいの回復運転。ATS再投入を忘れててもおかしくない。
もうひとつ。ATS-Pが入って、速度照査機能がついたら、カーブ手前の70km制限で70kmになるようにブレーキがかかるのでは。となると、今回108kmで突っ込んだ列車にATS-Pがついていたら、やはり運転士が急ブレーキをかけなくても勝手にブレーキがかかって、なんらかの事故に繋がった可能性は否定できないのでは?


マスコミが一番勘違いしているのが、「ステンレス=軽量=弱い」としていること。
ステンレスの成分の80%は鉄。耐候性を高めるためにクロム12%、耐候性と硬度を上げるためにNiが8%含まれている合金である。強度は…ねじり方向には15%くらいのダウンだったような気がするけど、うろ覚え。質量としては、鉄とそんなに変わらないのでは、とまたうろ覚え。
軽量になったのは、耐候性が高いぶん、車体外板を軽くできた、とか、その他の技術革新もあったかもしれないが、「ステンレスだから軽い」わけではない。しかも、「軽いから弱い」なんて、もはや議論にならないかと。
さらに、日本は世界で稀に見る、鉄道車両の衝突実験をしている国。ただし、この実験は日本自動車研究所で、鉄道車両の運転台をクラッシャブルボディにしながら強度を保つためにしているものであって、横転などを想定しているものではない。
それを一部マスコミは悪のように伝えているが、そんなんは「飛行機が落ちても機体が壊れないように作れ」といっているのと同じようにナンセンス。
脱線しても壊れないようなボディをつくったら、車両はみんな装甲車みたいになって、重くてスピードは遅くなって、乗り心地は最悪、電気も喰うから運賃アップ。これでもいいの?
実際には、そんな車両で脱線したら、壊れない車体に乗客が叩きつけられて…。


テレビに出て、適当なことを言っている「専門家」の皆様方。
中には自著と正反対のことを話している人もいますが。
まともな考察ができないんなら、そこらへんにいる鉄道マニアと解説交代しろ。