つれづれ

とある一件がきっかけで、こんな言葉が頭の中に浮かんできた。


祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず 唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ 偏へに風の前の塵に同じ


言わずと知れた、平家物語の冒頭部分。


どんなに勝ちを誇っていても、いつかは負ける日が来る。
そしてそれが唯一の取り柄だったとしたら、全てを失ってしまう。


どうやら僕は、そんな危険な一本橋を渡っていたようだ。
そして、ついに負ける日が来てしまったようだ。


人生には大きな影響のない、ほんの些細なことだけれど、
失うと悔しい。
どうやら、僕は風に吹かれた塵のように、ここから消えるしか
ないのかもしれない。