つれづれ

昨日のこと。


朝、冷たい雨の中、会社に向かう途中。
長い下り坂を歩いていると、坂の中央、道路の真ん中あたりに人だかりができていた。


なんだろうと近づくと、ずぶぬれになって倒れている女性と、その女性のそばに跪いて声をかける女性。
その周りで、二人に傘を差し掛ける通勤中のオジサン10人くらい。


近づいて話を聞くと、自転車を傘差し運転しながら坂を下りてきた女性が、歩行者の女性にぶつかったとのこと。
歩行者の女性は頭を打って動けない状態、とのこと。


すでに自転車の女性が救急車を要請したらしく、出血(というより流血)の有無と、意識の有無を確認したが、倒れた女性は目が開いており、意識もあるようなので一安心。


周りの人が傘を差し掛けているし、救急要請も終わっているし、僕は特にすることもないので、とりあえず坂を上ってくる車に対し手を振って危険を知らせる役を。


ほんの数分で救急車が、それから遅れて自転車のお巡りさんが2名。
倒れた女性は救急車に収容され、自転車の女性はお巡りさんに「私がぶつけちゃったんです」と言っていたので、特に揉め事になることもないようで。


周りのオジサンたちも、クモの子散らすように居なくなった。


目撃者扱いで警察に話を聞かれるのが面倒だと思ったのか、それとも「名乗るほどのもんじゃござんせん」の美学なのか。
雨の中、自分の背中を濡らしても倒れている女性に傘を差し掛けたオジサンたちは、きっと後者であるに違いない。