つれづれ

ACのCM、「もたつく権利、よろしく」に腹が立つ。


年寄りになれば、もたつくのは当たり前。
それを理解した上で、年寄りのほうは「もたついてしまってごめんなさい」という意識でいるべきだと思うし、現役世代は「年寄りになりゃもたつくのは当たり前、気にしないで下さい」という思いやりの意識でいるのが当たり前だろう。
それが本来の「ノーマライゼーション」だと思う。


それが、もたつくことを「権利」化してしまえば、どうなるのだ。
年寄りのほうは、もたついて回りに迷惑をかけることに鈍感になり、傲慢になる。
現役は、もたつきが守られた権利なのだから、と、思いやりの気持ちを失う。
結局、暮らしにくい世界になるのではないか?と思う。


優先席についても思う。
自分は幸いにして一度も遭遇したことはないのだけど、若い人間がシルバーシートに座っているだけで文句をいう人間がいるらしい。


優先席はあくまで「優先」席であって、「専用」席ではない。
回りに席を譲らなければならないような人がいるなら、当然その人に譲るべきだろうし、「専用席」であれば健常者が座ってはいけないという理屈も分かる。
でも、「優先席」の回りにそんな人がいなければ、誰でも座って構わないと思う。
まして、ラッシュのときなど、優先席に誰も座っていないと、若干腹が立つことすらある。
そこに人が座らないために、立客が増えて余計に混んでいる、というところまで考えないのだろうか。


もたつく老人や、優先席に座るべき人をいたわるのは結構。
でも、必要以上にそこを重視しすぎるのはバランスを欠き、ノーマライゼーションから逆に遠ざかっているように思ってしまう。