つれづれ

ちなみに、この転載元のYahooのニュースページには、コメントがつけられるようになってるんだけど、
そこにこんなコメントが。

リチウムイオンバッテリー使ってればおのずとこうなる。
これは、ipodに限らず、ほとんどのケータイだってそうだ。
しょっちょうケータイは騒ぎになっているだろ。この手のものを使う上でのリスクだ。
消費者側その程度の知識は持つべき。

これは間違い。


確かにLiイオンバッテリーは、最初の複数回の充放電で若干の膨張があり、また経年劣化で、電池が加熱しやすくなったり、若干の膨張がある、というのも事実。


だが、「通常」の利用状況において、セルの経年劣化だけを原因として、セル温度が100℃を超えるようなことはない。
この「通常」とは、電池工業会という団体がガイドラインで定めているもので、充電電圧が4.25V以下、使用温度は10〜45℃、という状況での使用ならば危険が少ない、というもの。
そして、Liイオンバッテリーの中には、サーミスタや安全弁や、シャットダウン機能のあるセパレータなど、安全対策として、温度上昇したときに電池の機能をストップし、それ以上の温度上昇を抑制するような部品も組み込まれていて、だいたい120℃を超えると、これらの機能が働いて、それ以上の温度にはならないように設計されている。


したがって、それ以上の温度になった、ということは、それらの安全機能が働かないほどの急激な温度上昇だった、ということになる。


そうなると、単純に電池の経年劣化、というだけではなく、元々の電池の製造過程、あるいは電池を組み込んでいる機器(ここでいうならiPod nano本体)の設計ミス、あるいはユーザーの使用環境が電池にとって過酷だった、などの要因の可能性が高くなると思われる。


確かに、Liイオンバッテリーは、それ以外の電池に比べて、ケタはずれに大きいエネルギーを溜め込んでいるので、トラブルが起きた際の危険性は大きくなる。
しかしながら、単純に、Liイオンバッテリーだから危ない、という話ではない、ということで。*1

*1:話の終着点を見失った