つれづれ

辛い。
習慣化した幸せは、それが身近なところから離れていくと、とたんに思い出のフラッシュバックとして僕に襲い掛かる。


夜、布団に入ると思うのだ。
電気を消して本を読んでいると、ふと、電話のベルが鳴りそうな気がするのだ。
そして、ディスプレイには彼女の名前が表示されそうな気がするのだ。


すごくつらい。声を聞きたい。また、昔のように仲よく話をしたい。
でも、彼女にもうガマンさせない、辛い思いはさせない、と誓ったのだから。


全ては僕が悪いのだから。
その幸せをぶち壊したのは、他ならぬ、僕だったのだから。
僕には、もっと大きな心で人を愛する能力がなかったのだから。