とある鉄道マニアに告ぐ

今日の出来事。
仕事で溝の口に出掛けて、その帰りにビッグサイトの展示会に行くことになった。
そこで、東急田園都市線大井町線りんかい線と乗り継いで行くことにした。


二子玉川大井町線に乗り込んだとき、一人の男性が乗り込んだ。
彼は手にマイクを持っていて、そのジャックはICレコーダにつながっていた。音鉄なんだろう、と思った。


その後、僕は大井町線内、完全に爆睡してしまった。
大井町駅に着いて、僕の乗っていた列車の先頭をふと見ると、9000系のトップナンバー。
前面に回って、携帯で写メを撮っていたそのとき。


「あと2本待つと8000系が来ますよ」


???


びくっとして振り返ると、マイク氏が僕に向かって話し掛けていたのだ。
彼はなおも続けた。


「あと2本待つと、こないだ東横線から引退した8000系が見られますよ。大井町線ではまだ走ってるんですよ。僕はその音を撮りにきたんです。改札出て引き返すんですよ。」


確かに僕は、車両の写真を撮っていた。スーツ姿で。僕は鉄のオーラを出してたんだろうか。
いや、例え僕が鉄マニア丸出しで写真を撮っていたとしても、同じマニアに対していきなり「あと2本で8000系が・・・」という話し掛け方ってあるんだろうか。
例えマニア同士であったとしても、そんな話し掛けられ方をしたら、僕は警戒する。まずはじめに「こんにちは」とかだったり、声の掛け方はいくらでもあるだろう。
そもそも彼は何を言いたかったのだろうか。親切で僕に8000系の存在を教えたかったんだろうか。だとしたら、やはり声の掛け方っていうのがあるだろうと思う。「こんにちは。写真撮られているんですか?」とか(これがベストだとは思わないが)。
僕には、彼が8000系のダイヤを持っている、という自慢を僕にしたくて話し掛けたようにしか聞こえなかった。そう思う僕の心はゆがんでいるのだろうか。
彼は、鉄道車両にカメラを向けている人には同じようにこうやって話し掛けているのだろうか。だとしたら、中には僕のように、若干の不審と警戒を彼に抱いた人も少なくないだろうと思う。


彼の行動が絶対的に悪だとは思わない。少なくとも僕が見た限りでは、自己中な鉄道マニアによく見られるような、一般乗客に迷惑をかけるような行動は取っていなかったように思われるから。


世間では、鉄道好きに対して、冷たい風が吹いている。鉄道博物館なんかで若干暖かい日差しもあるけれど、まだまだ冷たい風のほうが強い気がする。
僕に声を掛けてきた、音鉄氏に言いたい。
相手が誰であれ(鉄道マニアに限らず)、いきなりのお声掛けとか、他人に不審を抱かせるような行為はなるべく謹んでもらいたいなぁ、と切に思う。