実家に帰ると憂鬱になる理由

  • 朝一番で会いにきた祖母がとにかく「私はポックリと死にたいんだよ、健康で死にたいの」と死ぬ話と、「アンタ結婚はまだなの?お嫁さんいないの?」という話しかしない。
  • 「ちゃんと食べなさい、仕事は二の次、健康が大事」という祖母がほんの数分後に「アンタ太ったね。食べすぎじゃないの?」と言葉をひっくり返す。
  • 「アンタねぇ、さっき魚屋行ったらいいマグロのトロがあったんだけど、高くてねぇ」などと世間話をした祖母が、その直後に「アンタこれ小遣いだから」と意味もなく小遣いを押し付けてくる。そんな話の直後で受け取れねぇっていうのに無理やり押し付けて帰る。
  • 東京で着なくなった洋服を実家に送り、夏休みなどで実家にいるときに着ようとか考えていると、母親が「これいい服だね、もらっていいかね」といった直後に返事を待たずにすでに着ている。


正月に帰ったとき、全くファッションに興味のない姉のために、ヘッドポーターのシャチのトートバッグを買い、姉にプレゼント、と手渡した直後に母親が「あ、コレ可愛いね。アタシがもらっていい?」といい、姉から取り上げてしまった。姉がそういうところに文句を言うはずもなく。
そして今回、母親がそのバッグを持ち出して曰く「これってこのベルトが使いにくいんだけど、どうしたらいいのかねぇ」だと。
いや、あんたにあげた訳じゃないんだけど。


祖母もそう。学生時代、バイト代貯めて買った2万円の腕時計を嵌めていったら「アンタそれいい時計だね。大きいから、目が悪い私にぴったりだよ」といって取り上げられてしまった。もちろん、祖母がその時計を嵌めているところなど見たことがない。最初は「重い」といい(そりゃメンズのクロノグラフだから当然だ)、バッグにつけていたらしいのだが、電池が切れると同時に捨てたのだろう。
そして今回、そんなことなど忘れて「これいいでしょう」と僕に見せ付けてきた時計は、念仏の一部らしき文字が文字盤に彫られた、10円玉くらいの小さな時計。


親子そろって似たもの同士というか、母親が年取って、祖母に似てきたのか。
そろそろ僕は本気出して怒ってもいいんではないか、と最近思う。