初期化そのいち

東芝dynabook A9のハードディスク交換。
交換前:東芝 MK4025GAS (40GB、キャッシュ8MB、4200rpm)
交換後:日立 HTS541640J9AT00 (40GB、キャッシュ8MB、5400rpm)


東芝製HDDにありがちといわれるカリカリ音が解消されて、やけに静かになった。
また、回転数が4200rpm→5400rpmに上がったこともあり、またWindows以外のソフトがほとんど入っていないこともあり、起動がめちゃくちゃに速い。気持ちがいい。


後学のために、とりあえずアレコレと書いてみる。誰かの役に立てばいいなぁ。


とりあえず、メーカー製パソコンのHDD交換、しかもノートパソコンということで、HDDの選定には異常に思えるくらいに気を使った。
まず、基本の規格。Ultra ATA 100*1の2.5インチ、9.5mm厚、DC5V駆動。これを変えないのは当たり前。


次にしなければならないのは、情報収集。単刀直入に言えば「HDDを変えても大丈夫なのか?」ということ。
自作マシンなら気にすることもないのだろうが、メーカー製マシン。写真に示したとおり、東芝などメーカー製マシンでは、メーカーごとに、Windowsにドライバや各種ソフトウェアを組み込んだ機種ごと独自のリカバリー用CDを付属させている。メーカーによっては、HDDを交換すると、このリカバリーCDが起動しなくなることがあるらしい。
従って、いろんなサイトを回って、「該当マシン、もしくはそれに近い機種、またはそのメーカーで、HDDを交換してもリカバリーが出来た」という実例を探すことが大事。
ちなみに東芝ダイナブックでは、HDD交換してもリカバリーCDを読み込まなくなった、という例は無いようだ*2


次に回転数と容量。ここ最近売られている2.5インチHDDでは、回転数は4200rpm、5400rpm、7200rpmの3種。数字がでかいほど高速回転するが、その分、発熱が大きい。特に放熱が大変なノートパソコン、なるべく熱は出したくない。普通は5400rpmでいいだろう。元々付いていたHDDは4200rpm。今回5400rpmに交換したことで、かなり体感速度が上がったけれど、基本的にはソフトが軽くなったからだろう。HDDの回転速度はそんなには大きく寄与しない、と詳しい人はいうし、僕もそう思う。
速さに関わる数値では、ほかに「シークタイム」と「キャッシュ」がある。シークタイムはメーカーによって1/1000秒違うかどうかなので気にしなくていい。キャッシュは2.5インチの場合、2MB≒2048KBのものと8MB≒8192KBのものがある。後者を優先的に選択。
容量は元のHDDと同じ40GB。実家の父親と母親がデジカメ画像を保管する程度なので十分すぎる容量だ。



次。消費電力。このあたりからは価格.comのホームページには掲載されてこないスペックになる。消費電力は、各HDDメーカーの詳細スペックを見てみないと分からない。でも、専門家以外の人が失敗せずにHDD交換を行うときには、絶対に調べなければならないスペックの一つ。
ノートパソコンはACアダプターから電源供給されているので、デスクトップマシンみたいに電源を変えられない。しかし、交換前のHDDよりも交換後のHDDのほうが消費電力が大きい場合、HDDに電源を食われて、USBが使えなくなったり、最悪、HDDが回転した瞬間に電源容量不足でマシンがハングアップしたりする。従って、交換前のHDDより消費電力が同等、もしくは小さいHDDを選択しなければならない。
本来はLow Power Idle.(アイドリング)の値とMax Power(最大消費電力)の2つの値を比較対象にするのだが、今回、交換前のMK4025GASは、最大消費電力がメーカーHPで公開されておらず、R/W(Read/Write)とLow Power Idle. での値を比較した。
先に書いた回転数とも関連していて、回転数が高いほど消費電力も高いのだが、最近のHDDは低消費電力化が進んでいる。MK4025GASの消費電力は、最新の7200rpmのHDDと同等であることからもそれが分かる。


あとはメーカーなどの好みで選ぶ。
一番人気が高いのは日立か。東芝は最初からカリカリ音が気になる、という人も多いし、僕も気になった。
一番静かなのは富士通だ、という人も多いが、メーカーHPで公開されているスペックを見てみると、あくまでスペック上では日立のほうが静かである。
こういう噂も、インターネットで収集しておいたほうがいい。
最後に、交換前にはジャンパ設定など、きちんと調べておくこと。メーカー製ノートパソコンのHDD交換をするときには、念のため、相性保証をしてくれる店で購入すること。
2.5インチIDEのHDDなら基本的にコネクタ形状はみんな同じだが、東芝はピンがむき出しなのに対して、日立はピン上に、ひさし状に筐体がはみ出している。これが邪魔となって取り付けられない場合もないとは言えないので、その辺りの情報もきちんと探しておくこと。


ちなみに、今回東芝に載せたHTS541640J9AT00は、最新のテクノロジーである「垂直記録」方式を採用していたりする。

*1:PATAとかパラレルATAとかIDEとか表記されることも

*2:HDDの初期不良などを除く