久しぶりに聴いたジャズ

先週の金曜日、会社帰りに高田馬場で時間をつぶしていたときのこと。
ふらっと入った古着屋のレジの横に、フライヤーがおいてあったので見てみると、
「Villege Vangurad 高田馬場店」と書いてある。(ヤベぇ、スペル違うかもw)
ヴィレヴァンには腐る程の思い出があって、ずっと前から大好きな店なので、直行してみた。


ヴィレヴァンで流れているCDは僕好みのが多い。
小島真由美の新作アルバムも大音量で流れている。小島真由美にも思い出がある。悩んだ挙句、今日は小島はスルー。
J-POPをボサノヴァ風にアレンジしてる女性シンガーのCDを手にとって、もう一枚、なんか欲しいな…と探していて目にとまったのが。
「東京ブラススタイル」の「アニジャズ 1st Note」というCD。
ナツカシのアニメソングをBIG BANDスタイルでJAZZYに演奏してるらしい。


とある不愉快な思い出があって、未だにジャズを聴くとき、胸の奥に小さなしこりのような感情が湧きあがることがあるのだけれど、このCDは本当に愉快に聴ける一枚だった。


聴いた雰囲気では、ビッグバンドというよりは、アンサンブルに近い感じがする。
オヤジのビッグバンドよりも、いい意味で荒々しさがなくて、ハーモニーがきれいで、Sophisticatedな音楽。
サックスの音色がとても優しい。サックスだけじゃない、トロンボーンも、トランペットも、みんな優しい音色をしている。時折入るキーボードの音色がオルガンっぽくて素敵。
ジャズは裏拍に強いアクセントが来るけれど、そのアクセントが強すぎず弱すぎず。(これが強いと完全なオヤジジャズ)
それでいて、迫力があって、テンポがガンガンで、スカだったり、バラードだったり、ブラスロックだったり、ラテンっぽかったり、とにかくいろんな音楽の要素が混じっている。ジャズというひとつの枠組みに捕らわれずに、やりたいことをやりたいように楽しんでいるんだなぁ、という印象を音楽から受ける。


それより何よりも楽しかったのは、ライナーノーツ。
レコーディングの時の裏話が書かれていたりして、面白い。「ラムのラブソング」でベースが入れなかった、とか、「エイトマン」のソロのバッキングが「あっこちゃ〜ん」とか「ガッチャマ〜ン」にしか聞こえない、とか。これを読んでから実際にエイトマンを聴いてみると、もう「あっこちゃ〜ん」にしか聞こえなくなってしまって、街を歩いているときにこれを聴くとにやついてしまう。「ルパン三世のテーマ」のベースは○○をイメージして演奏した、とか書かれていて、聴いてみると確かに○○のイメージが浮かんでくる。


こういうレコーディングの時の裏話を平気で持ち出す辺り、はっきり言ってしまうとプロっぽくない。プロはこういうのを隠すから。そして、「こういうのをイメージして演奏した」というのは書かない。プロは余計なイメージを聴衆に与えることはしないから。
なんだか、学生の定期演奏会のパンフレットを見ているような気分になってしまうけれど、それがむしろ楽しさを倍増させているような気がする。楽しさというよりも、CDを買った人に対する身近さ、という感じかな。


久々に大当たりのCDをゲット。


そういえば、「水曜どうでしょう」は、作り手の気持ちをHPで堂々と発信することで視聴者の気持ちをより掴んだ、なんて話を聞いたことがある。いや、藤村さんがQuick Japanのインタビューに答えてるのを読んだだけかな?