つれづれ

仕事中、用事があって役員室のそばの廊下を通ったら、スーツを着た若い人がドアの前に立っていた。緊張した面持ちで、スーツのすそをいじくってみたり、引っ張ってみたり。そして、ドアをノックして扉を開き、深々と頭を下げ、役員室に入っていった。

そうか、最終面接やってるんだな。
うちの会社は他の会社よりも面接の時期が遅いので、春の就活シーズンに乗り遅れた人が大挙して押し寄せるらしい。
そういえば、この間は受付のところでも就活の学生を見たなぁ。受付のお姉さんと二言、三言交わして、最後には飛びきりの笑顔で元気に「ありがとうございました」って言って帰っていった。


ああいうのを見ていると、自分の時を思い出す。緊張しながらも半ばやけっぱちになって面接に挑んだのが良かったのか、最終面接まで進んだ。社長とかとも普通に話が出来て、そこそこ満足した出来だった。
面接後にはすぐに健康診断があって、同じ日に面接した人と「どうでした?」なんて話しながら服脱いでレントゲンをとった。その日の夕方、まだ新宿の駅で静岡に帰る電車を待っているときに、内定の電話をもらうことが出来た。
そして去年の4月。健康診断で少しだけ話をした彼は、新入社員、つまり僕の同期の中にはいなかった。


僕は、同期に恵まれている。
とっても仲良し、というわけではないけれど、お互いに困ったときに助け合うことが出来て、話を聞いたり、助言をしたり出来る人が、同期の中に2人いる。時には飲みに行ったり、ラーメンを食べに行ったり。そんな同期がいる間は、この会社で頑張れるだろうな。


今年入ってきた新入社員も、来年の新入社員も、いい同期に恵まれるといいなぁ、なんて、柄にもなくふと思った。



そんなことを考えるあたり、もう老けてきたのかなぁ・・・。
そんな僕も、明日で26。
もうすでに20代の折り返しは過ぎているけど、26っていう数字を見ると、いよいよ20代も、本当の後半にきたんだなと思う。
この先、どんな生活を送っていくんだろう。恋愛とか、結婚とか、仕事とか、生え際がちょっと下がり始めた髪の毛とか。
オレの人生、面白いかな?あと10年経ったとき、まだ「オレの人生面白い!」って言いながら生きていけるかな?


一生独身だろうが、ツルッパゲになっちゃおうが、構わない。
オレは、オレの人生を面白く生きたい。自分で自分の人生を客観視したとき、「面白い!」って言えたら、それだけで満足かもしれない。