つれづれ

はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話

はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話


発売日前に、池袋西武で先行販売されていたので購入。
はやぶさのコピペを見ると、どうしても泣いてしまう。


本当にいい本だった。
某サイトに投稿したカスタマーレビューを転載。

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この本には、論文のような難解な技術的内容は書かれていない。技術的な内容は易しい言葉で書かれているので、とても分かりやすく、理解しやすい。
はやぶさプロジェクトを成功に導いた、その「こんなこともあろうかと」的な技術はネットでコピペを検索して読んだほうがずっと情報が多いかもしれない。

前半はプロジェクトのキックオフ時の折衝など、事務の舞台裏はかなり詳しく書かれている。「プロジェクト秘話」のサブタイトルに偽りなし、気楽な飲み会で「実はね…」と教えてもらうような、とても緊迫感がありながら、茶目っ気を忘れないプロジェクトチームの内幕、舞台裏がたくさん書かれており、それだけでも一読に値する。

中盤以降、特に終盤の四分の一程度は、それに加えて、川口氏のはやぶさへの強い思いがひしひしと伝わってくる文章になっている。
プロジェクト・マネージャの川口氏とはやぶさの関係、まるで師匠と弟子のような、親子のような、そんな絆で結ばれた感情と感覚が良く分かる。

理系人なら学校で教わっていると思う。
「科学者として、必要以上に実験対象に思い入れを持ってはいけない。」
客観的な目で見ることができないと、実験結果に希望や意志を取り込んでしまうから。

しかし、そんな安っぽい思い入れを超えたところに存在する、川口氏とはやぶさの絆が、この本には書かれている。
大気圏にはやぶさが帰って来るときの情景、そのときにはやぶさが捉えた地球の姿。
涙無しには読めなかった。

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