リア ディレーラーガード

フレームに空いたダボ穴につける形のパーツを探した。数年前のあさひのプレシジョンや、2014年以前のブリジストンのOrdinaには、ダボ穴留めのディレーラーガードがあったようだが、最近はないようだ。
ネットで探したら、アマゾンで「Praxia ディレイラープロテクター ギアガード」を発見。安いのでサラっと購入。余談だが、このPraxiaというメーカーの商品を見るとオトナのオモチャだらけ・・・。そんな中、ただ一品の自転車部品。なんだか変な由来がありそうだ。
会社の工具置き場から、バネワッシャ+JISワッシャ組み込みのSUSなべ小ねじ(M5×12)を数本頂いてつけてみたら、ダボ穴にぴったり。付属のネジはM5の六角穴付きボルトだが長さが16mmあり、フレームからお尻が出てしまったのでチェーンに干渉して危険。用意した12mmではちょっと短いか・・・。
ディレーラーハンガーとフレームがツライチではなく、ディレーラーハンガーのほうが1mm程度出っ張っているので、会社の工具箱から拝借したM5ワッシャーをフレームとディレーラーハンガーの間に挟んでおいた。
長さ的にしっくりくるのは14mmだが、街のホムセンでは買えない。仕方なくモノタロウにて六角穴付きボルト(SUS製、バネワッシャ+JISワッシャ組み込み、M5×14)を購入して付けたら、ぴったり。*1

*1:なお、SUSネジとアルミ車体の電蝕の問題については、ネット情報で見る限り(ねじ屋さんや電光屋さんのホームページにて確認)「車体のほうが大きいため問題ない」とのことらしいので、良しとする。

第7章:クロスバイクを点検する

さて、前回はクロスバイクにライトとリアリフレクタ、ディレーラーガードを付けたところまで書いた。
平行して、譲渡された車両の各パーツを点検していったら、すごいことが分かってきた。


譲渡されたのは、RITEWAYのシェファードシティ、2015年型。
…なのだが、フレームと駆動系(もともとフルSHIMANO)以外のほとんどのパーツが入れ替わってる。
ホイールやハブもSHIMANOに。タイヤやチューブはパナレーサーに。ハンドルやステムはgrungeに。ペダルもgrungeに。シート回りはDixnaに。
この車体、いくらかかってるんだろう。。。


購入後、次第にあれこれと手を入れてきた。


RITEWAYのクロスバイクのベルは、ハンドルのスペーサーと一体化している。
このベルが左向きについていたのだが、右側に回転させた。
いざというとき、ベルを鳴らしながらブレーキをかけるとしたら、左手でリアブレーキを操作するだろう。余裕があれば右手でRディレーラーを操作するかもしれないが。なので、ベルを操作するなら右手、という考えで右側にベルを回した。
ステムキャップのねじを緩め、スペーサー(ベル付き)を回転させる。初めて自転車にねじを入れるとき、それはもう緊張した。
ママチャリでかごやリフレクタの交換の経験はいくらでもあるが、これはさすがに怖かった…


(続く)

第6章:クロスバイクに手を入れる

日曜日。
クロスバイクを買った翌朝。
やはり夢うつつの嫁を置いて、家を出る。


自転車にまたがり、自転車店を目指す。
今日買いたいのはこんなとこ。

  • ヘッドライト → 通勤用ママチャリにつけてた白いブリジストンの400cdのがあったのだけど、付けてみたらハンドルの短さのせいでブレーキレバーに干渉してライトが上を向く。25m先のマンションを照らしたら2階あたりに光軸が向く。これじゃあしょうがないので、フロントフォークにつけるか、干渉しないライトを買う。
  • テールランプ → ランピールの思い出ではないけれど、やはり走るときは付いててほしいテールランプ。スイッチを操作しなくても、走り出したら点く、って機能があるのが一番。
  • リアのディレーラーガード → 後ろの変速機のアームみたいな部分が、自転車の右側でハンドル・ペダルの次に出っ張っている部分。倒れたらここが地面とぶつかり、曲がったらチェーンが外れたりする。だからここにガードを付けたい。
  • 馬蹄錠 → ママチャリにもついてる、後ろのタイヤの上のほう、サドルの下で掛ける、あの丸い鍵。やっぱりあの鍵が一番手軽。


ディレーラーガードはネットで調べたら、グランジ社の、クイックリリースのボルトの代わりに留めるものもあるらしいけど、まだタイヤを外せない超初心者の自分にはパス。ママチャリみたいな、フレームにあいたねじ穴(ダボ穴)に留められるのが簡単でいい。…のだが、ネットでは安く売られているこの部品が見つかるだろうか。
そして馬蹄錠。普通の自転車につく、あのタイプの鍵はクロスバイクにはつけられない。特別な部品(Vブレーキ用ブラケット)を介して付けなければならないのだが、そうすると見た目にごつい。ちょっと高いけれど、とてもスリムな馬蹄錠がネットで売られてる。これも店で買えるだろうか。


1件目の自転車屋さんで、まずディレーラーガイドについて聞くと「取り扱いはありません」。5分ほど調べてくれたのだが、部品はないという。仕方なく、ライトとテールランプを見ていたら、「そちらは・・・?」と。わざわざ開封して、車両につくかどうかまで全部確かめてくれた。テールランプはこの店が最安値、ライトはネットでは数百円安く買えそうだったがこう親切にされたら買うっきゃない。レジにてお買い上げしたら、ほかの自転車の修理を差し置いてすぐに取り付けてくれた。
...テールランプのブラケットがママチャリ規格で取り付けられず、もともとクロスバイクについていたテールリフレクタのブラケットを流用したので「目玉」にできていないのが残念だが。
ライトはこれ以上ない明るさで、ちゃんと下を向く。僕は、自分がこれから走る路面がキチンと照らされていないと嫌なタイプなのだが、これならきっと夜間走行も安心だろう。


ディレーラーガイドと鍵は、結局2件目の自転車屋さんでも見つけられなかった。家に帰り、ネットでさくっと注文。
届いたら、さっそく取付よう。


(続く)

第5章:初めてクロスバイクに乗る

土曜日の朝9時。


嫁はまだ眠っている。
僕は、バッグの中の2万円の入った封筒と、自転車防犯登録の譲渡証明書を改めて確認して家を出た。


約束の引き渡しは11時。引き渡し場所までは40分もあれば着く。2時間も前に家を出たのは、朝食ついでもあるが、ワイヤーロックを買っていく必要があったからだ。
クロスバイクのようなスポーツ自転車には、シティサイクルのように馬蹄錠などの鍵はもともとついていない。あとから鍵を付けることもできるが、すぐに切り刻まれるような鍵よりも、太いワイヤーの鍵を付けたほうが盗まれにくいのだという。そのカギを買うために、10時開店の量販店に寄った。

色々な鍵があるなかで、自転車のボディと同じ、パッションレッドの鍵を買う。およそ1000円。かなりごつい。というか、もともと11kg程度とママチャリの半分くらいの重さしかない自転車に、こんなゴツイ鍵を持ち歩くのは本末転倒ではないのか、そんな気にもなる。でもせっかく買う自転車を盗まれたくない。

レジで包装を解いてもらい、ワイヤーロックをバッグにしまい、僕は受け渡し場所である、とある駅に向かった。
鍵を買った量販店もあるターミナル駅から、わずか1駅、2分。10時40分過ぎに僕は受け渡し場所に付いた。日差しが熱い。近場の100均とコンビニをハシゴして、時間をつぶす。
10時55分。待ち合わせ場所の交番横のベンチを見ると、赤い自転車が停まっていた。あれか!出品者にメールを送る。「間もなく着きます」。


出品者は、僕とほぼ同じ身長の女性だった。メールでやり取りしているから、話は早い。現車確認すると「乗って見られますか?」と。ぜひ。駅前の道路を2往復。クロスバイク特有のサドルの高さ、ハンドルの低さにはまだ慣れないが、変速機の操作はすぐ慣れそうだ。とにかく軽く、挙動がクイック。こんな自転車あるんだ!

すぐOKを伝え、防犯登録の譲渡用紙に記入してもらい、代金を渡して、わずか15分程度の引き渡しは終わった。自分の荷物はリュックに、サービスで付けてくれた空気入れやスタンドはトートバッグに入れて肩掛けにし、僕は自転車にまたがった。


走り出してすぐ思ったのは、ハンドルに伝わる振動の多さ。これはタイヤの細さから来る空気量の少なさ=クッションの少なさ、フレームの堅さ、タイヤの空気圧の高さが原因だろう。しかし、嫌な乗り心地ではない。むしろレーシングカーに乗っているような、心地よい固さだ。そして抵抗の少なさ。ペダル一漕ぎで何十メートルも進みそう。
どこかで読んだ文章を思い出した。「ロードバイクは速く走るための自転車ではない。疲れずに長距離を走れる自転車だ」と。まさにその通り、漕がなくても前に進んでくれる、そんな錯覚すら覚える軽い自転車だ。


途中で自転車屋に寄り、自転車の譲渡証明書を出して防犯登録を更新する。泥除けやカゴ、変速機カバーなどを付けてもらいたかったが、店に部品もなく、また混んでいて余裕もないようで諦めた。しかし、家まで30分足らずのサイクリングで思った。この軽く進む自転車に、果たしてカゴは必要か?泥除けは必要か?
僕は、ボロボロになったママチャリを捨てるつもりでいた。でも、それは違う、と思った。この自転車は楽しい。この自転車をコンビニに買い物のために乗っていくのは違う。分けて考えよう、と。
ママチャリは買い物などの日常使いに、クロスバイクは休日のライディングやポタリングに。通勤はどちらでもいいな。だから、自転車を2台持ちしようと決めた。


家につき、スマホで検索を始める。
クロスバイクでも通勤をするのなら、通勤快速仕様として付けなければならない部品がある。それを買わねば。付けなければ。
沼にハマりつつある自分を自覚しながら、久しぶりに趣味に没頭しかけている自分に気がついた。


(続く)

第4章:自転車にめぐりあう

ジモティ」というサイトがある。
一種のフリマアプリであるが、ご近所さん同士で直接会って、商品を手渡しすることがメインコンセプトである。


僕は1年ほど前からこのサイトを使い、色々なものを売ってきた。
2GBなどのMicroSDカードを200円で、使わなくなったドライヤーを500円で、など・・・。最近は、ローディのツーキニストにPORTERの自転車用リュックを6000円でお売りした。


クロスバイクは新車を買う気満々でいたのだが、ふと一度「クロスバイク」と検索を掛けたことがある。この手のサイトは、一度検索をすると検索履歴に沿ってプッシュ通知が飛んでくる。「東京都でクロスバイクが出品されました!」と。

新車を買うつもりだったし、出品を見てみると、割とジャンクや部品取りのような車歴の良く分からない車両だったり、目いっぱいカスタムされていたりで、自分が欲しいと思える自転車が出品されるようには思えなかったので毎日スルーしていた。
しかし、こうも新車を買うタイミングを逃すと心が折れ掛ける。そんな日の通知から、「たまには見てみようか」くらいの気持ちでふらっと新規出品一覧を見ると。


2万円で赤いクロスバイクが。購入後1年乗車、2年屋内保管。カスタムの内容が細かく記され、コンディションは新品同様。クロスバイクのハンドルは、BMXのハンドルを流用したり海外規格そのままという理由で普通の自転車より長いのだが、それを乗りやすい長さにカットしているというカスタムが目に付いた(このハンドルカットというカスタムも調べている中で知識として持っていた)。
安い。コンディションが良い。超有名メーカーでなく、比較的廉価な車体で、自転車泥棒の対象にはならなさそう。でもコンディション良すぎて、僕みたいな初心者が乗っていいのか。屋外保管になっちゃうけど、いいのか。
一晩悩んだ。嫁にも聞いた。僕が唸っているのを知っていた嫁は「あらカッコいいじゃん。買えば」と笑ってくれた。


次の日、商談希望のメールを出した。タイヤサイズや、泥除けを付けるダボ穴の有無を聞いたら、写真を大量に追加して回答してくれた。この出品者はとてもいい人だ。
心が決まった。ふとジモティを覗いてから2日。購入希望の返信を書いていた。


その週の土曜日の朝11時、引き渡しが決まった。


(続く)

第3章:自転車を買えず悩む

夏休み。
うちの会社の夏休みは毎年、7月末〜8月頭になることが多い。嫁の夏休みとは時期が合わず、一人で過ごす時間になる。


夏休み最初の平日、僕は家事を済ませると、通勤用軽快車にまたがって家を出た。
目指すは、家の近くなどでピックアップした、スポーツ車に強そうな自転車店数店。片っぱしから回ってみよう。僕の希望をかなえてくれる店、店員、自転車にめぐり逢ったら買おう。そう決めて自転車をこいだ。


真夏の日差しは、どんどん肌を黒くする。腕時計をしてなくても、腕時計があるように見えるほど焼けてしまった。
それだけ頑張ったサイクリングの成果は…なにもなかった。

ビギナー専門を謳うお店の店員は「わからないことがあったら聞いてくださいね」の一言だけ。あとから声を掛けてくれた店員さんに「初心者なのでどんなのを選んだらよいか」と聞いたら、並んでいるクロスバイクのメーカーの歴史を説明してくれた。
量販店は、クロスバイクを見ている客を認識していても、声すら掛けてくれない。
「どの車も試乗可能!200mの試乗コース有」を謳う量販店は、こちらが婉曲表現で「またがせてもらっていいですか?」と試乗を申し込んだら不機嫌そうに「またぐだけならいいですよ。」と、ホントにただまたがせてくれた。
スポーツ車に詳しいとある店の店員さんは、「クロスバイクに泥除けとカゴがつくかって?そもそも欧米にママチャリなんてないんです。だから欧米にはオプションのカゴがたくさんあるし、泥除け専業メーカーだってある。どの車種か決めてくれれば、なんだってできますよ!」と。その車種で悩んでるのだが…というところは通じず、「車種を決めてくれれば大丈夫です!」を繰り返されたうえに「今の時期、2019年モデルの出始めですから、よりどりみどりですからね!」。
街中のとある自転車屋さんは「練馬から浮間舟渡の通勤?クロスバイクにしても、結局漕ぐのは人。道のりを考えたらクロスバイクにしても楽にはならないですよ。環八走ってるんですか?あんな走りにくい道を?」。


真黒に日焼けして、肌がヒリついただけの3時間半・20kmのサイクリング。
家に帰り、水着を持ち出し、そのまま自転車で区民プールに直行し、肌と頭を冷やしながら考える。
夏休み中にクロスバイクを手に入れ、そのまま長距離サイクリングに出る、という夢は潰えた。
僕はクロスバイクを買うことができるんだろうか。自転車屋さんは、僕に自転車を売りたくないのだろうか。


夏休み明けも、ママチャリで頑張って通勤しよう。そう心に決めて、プールにもぐった。


(続く)